学生さんと「安楽死」について話してみる
2週間前に、東洋大学で介護福祉士等を目指し学んでいる学生さんを対象に、オンラインで講義をさせてもらったんだけど、その後、学生さん達から感想レポートをもらって、いくつかその中に質問などもあったので、ぜひ直接フィードバックさせてもらいたいなぁと思って先生にお願いしたら、すぐにその機会をいただくことができ、昨日、改めて17名の学生さんとお話しさせていただきました。
その中で、私の心を最近ざわつかせていた「安楽死」や「やまゆり園事件」についても触れさせてもらったの。
とても重いテーマだし、自分の中でも何をどう伝えたいのかはっきりしていたわけではなかったんだけど
でも、今このタイミングで若い学生さんたちとこのテーマで話してみたいなと思ったので、もう、あまり考えず、私の想いを伝えてみた。
時間も少ないから、私の一方的な話で、みんな混乱してたり、モヤモヤしてないかなぁとか、終わった後もちょっと心配だったんだけど、今朝、先生から学生さんの感想が届いて
それを読んだら、私が思っていた以上にみんなが私の想いを受け取っていてくれて、なんかさー、感動しちゃったんだよね。
安楽死については、「本人が望むなら、それもアリなんじゃないか?」と思っている人がやっぱり多いんだなと言うことも分かったけど、私の話を聞いたら「考えが変わった」と言う人がほとんどだった。
それがとても嬉しかった。
やっぱり伝えること
話すこと…大事だね。
私自身も、今回学生さんたちと色々話すことで、自分の考えを改めて整理することができとても貴重な機会となりました。
ちょっと長くなるけど、先生に許可をいただき、学生さんの感想を一部抜粋して掲載させてもらうのて、ぜひ最後まで読んでください♪
〜感想(一部抜粋)〜
・ALS の方の安楽死の事件について初めにニュースを見た時は、正直自分がもし ALS としての当事者で あることを考えると、頭では物事を認識する能力はあるが体を動かすことが出来ない、これから先も治 る見込みはない、前の自分の体と比較するということを考えたとき、安楽死という選択をしてしまうよ うな気がしました。家族とその話を共有したとき、残された家族の気持ちを考えたときあなたはどう思 う?と母に言われました。確かに、自分の命だけではない、家族や周りの支えてくださる出会ってきた 人たちの気持ちも考えなければならないと思いました。そして上野さんのおっしゃっていた通り人との 出会いは心を大きく動かすということに繋がると思いました。私は上野さんのお話を聞いて考えが変わ りました。安楽死という言葉が世間にあってほしくない、生きるということが前提であるということ。 そして、安楽死への考えが、生きるより死ぬ方が簡単と思われたくないということである。この言葉が 心に響き、私たちは介護福祉士として生きる希望を見出すことのできる存在にならなければならないと 思いました。そして人との出会い、支え合える環境を作り自分もその一員になりたいと強く思いました。
、安楽死に関し て、正直今までは、身体がどんどん動かなくなっていき、息をすることすら困難な状況になっていくの が耐えられないのならば、死を選択しても良いのではないかと思っていました。けれど、今日話を聞い て「生きることがつらいから死ぬ」ではなく、「"生きることがつらい"という根本の課題を解決しなけれ ばその人の人生に意味がなくなってしまう」と感じました。人生を終えることではなく、生きることを 阻害する要因に焦点を当て、すぐに死ぬことを選択肢に入れてしまう風潮が無くなれば良いなと感じま した。
・ALS の女性の安楽死事件についてのお話を聞いて、今まで安楽死や尊厳死 などその人の意思を尊重して安らかに死ぬことができることはその人にとってプラスのように思って いたが、上野さんが安楽死を選んで欲しくない、安楽死の制度を作らないでほしいという意見を聞いて、 死ぬことの選択をすることは全くプラスではないことを改めて感じました。私はこのお話を聞いて、人 間誰しも上手くいかないこと、辛いことなどから死にたいと思う事はあると思うし、障害があることに よって生きにくさを感じることがあると思うが、死ぬことを選んでしまうと人生はそれで終わってしま う。死にたいと思っても死ぬことにも勇気がいることだからそれなりの決意があったのかもしれない。 でも、人の気持ちは日々変わるもので辛いと思っていても次の日には友達と話して笑顔で笑っていたり、 人との出会いによって生き方が変わったり、生きていて良かったと思える日が来るかもしれない。だか ら、死に逃げるのではなく小さな幸せを探していけたらいいのかなと思いました。そして、そういう方々 に生きがいを感じてもらえるような支援をこれからしていきたいなと思いました。
・もし自分がその人立場だったら、もし 自分が今後 ALS になったら今回の事件のように殺してほしいと考えてしまうかもしれない。でも、本 当に何か小さなきっかけや出会いでそれでも生きたいと思うことがあると思うので、上野さんが東洋大 の学生と出会い人生が変わったように、人との出会いがたくさん作れる社会にしていくことが大切だと 感じました。そして、私がその人生を支えられる人になりたい。そのために自ら現場に出向きその人た ちの光になりたいと思います。そして、障害の有無に関わらず生きるということの幸せを感じてもらえ るよう、私たちが行動を起こしこの世の中を変えていかなければならないと思います。
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